もくじ
インセンティブ = 誘因 = 人を引き付ける刺激
- 人に「こうしろ!」って命令しても動きません、だから人がそうしたいという状況にして促してあげるという考え方。”北風と太陽”の童話の太陽のやり方
- アメを使うことで人の行動を促す
- インセンティブに乗せられて人が行動する時に、誘導されているという意識は持ちにくい
合理的な行動をしていると人が自分で選択したと考えるから - 人は損得を考えて動く時に気持ちよく自発的に動く、(だけれど本当の意味で損得になるかは別で、多くの人がその場その場の計算に合わない不合理な感情(アニマルスピリット)で動いていて、経済学で説明される数式、経済学的合理性に基づいて行動する経済人のように全く合理的には行動していない)
- 人の抵抗感を限りなく減らして導入できる
どうやって人々に気持ちよく動いて貰うか?
例①軽自動車
環境に優しく道路に負担を与えない軽自動車を流行らせたい
↓
普通車より軽自動車の税を優遇する
↓
普通車より人々は軽自動車を乗るようになる
例②夜間営業 ネットカフェ
夜間も利用してもらいたい
↓
夜間の料金をパック料金として下げる
↓
簡易ホテルの代わりに人が使いだす
例③ 営業
たくさん営業に商品を売って貰いたい
↓
セールスの成果で出来高を支給
↓
営業は収入をあげるために頑張ろうとする
人が経済学的な合理性で行動していない例
人は経済学的な合理性ではなくその場その場の主観的な心・感情(アニマルスピリット)で行動する
例①携帯会社が発行する牛丼の無料クーポンで牛丼屋に4時間並ぶ
経済学的な合理性だけでなく、人はその場その場の感情で動いている
- 携帯会社の料金にクーポンの料金が盛り込まれているから、クーポンを利用しないと損になる = 牛丼屋に長時間並んでクーポンを使うのが合理的な考えになる
あれれ?
- その時間を働いてその分で買った方が良くない?
→でも人は得に感じて並んでしまう
→並ばないと損なのだ!
→皆が並んでいるとそれが正解に思え、自分も並びたくなる - そのクーポンは携帯会社の料金に入っているのでは?全然得になっていないYO!
→でも解約しない
「手続きが面倒くさい」
- 「クーポンがある良い会社を選んで良かった~!来月は何のクーポンかな、楽しみ!」
例②何カ月も利用していない会員制ジムのサブスクリプション
7割が幽霊会員・・・!
あれれ?
- 利用していないなら解約しないの?
→解約したら負けのような気がする
→また利用したい時にすぐ利用できないのは嫌だ
→そういえば契約していたっけ?解約しにいくのも面倒くさいな
自動更新を利用したサービス = サブスクリプション ≒ 幽霊会員ビジネス
例③ 広告・口コミ
財布もアクセサリーも時計だって必要なものはそろっている。バッグだってたくさん持ってるのに、それなのに読者モデルの○○ちゃんが使っているバッグが急に欲しくなってきた!
友達のインスタグラムに載ってるパンケーキが可愛い!美味しそう!私も写真撮りに行きたい!
あれれ?
- 広告や口コミによって需要を創造することが出来る
「供給があるから*1」、「需要があるから *2」だけで、需要があるのではない
- 上質の革を使った製品のスペックや機能といった製品の合理性より、人気読者モデルが使っているビニールのバッグが売れる。
憧れの人が使っているイメージ広告 = 素敵だ、私もそうなりたい。欲しい!
バッグはたくさんあって生活する上で困らないのに、必要なかったものが広告によって欲しくなってしまう。
欲しい(需要)は(広告によって)作れる!
- *1. セイの法則(新古典派経済学)
長期的な政策で役立つ「供給はそれ自身の需要を生む」
①商品やサービスを生産・販売する
↓
生産した人々に賃金が入る
②商品が売れる
↓
オーナーや御店の労働者にもお金が入る
③入ったお金で労働者もオーナーもモノを買う
↓
供給が需要を作る - *2. ケインズ「雇用・利子および貨幣の一般理論」
短期的な政策で役立つ「需要が供給を決める」
①需要の落ち込みが不況を作り出す、不況時には総需要を増やすことが重要だ!
②投資で需要を活性化させることで投資は乗数効果で返ってくる →需要が供給を生み出す
@see スポーツジムの収益の7割は幽霊会員の月謝!?幽霊会員から脱却するには?