もくじ
大学 格物致知(儒学)
- 「格物」は物事の姿を正しくするという意
- 「致知」は朱子学と陽明学で解釈が異なります。解釈が異なることで、朱子学と陽明学は相対する学派になっています。
朱子学
知を致(きわ)むるは物に格(いた)るに在り
- 物の道理を知る
事物に共通した法則である正しい知、真知といったルールが「理」である、理を知ることが正しい行動につながる - 「知」の習得が先にきて、行動(行)はその後に試される、別の概念として捉える
理気二元論
- 理
宇宙の原理、万物の根源原理 - 気
万物の物質的な素材
性即理
人間の本質(性)も理
居敬窮理
- 居敬
己の私欲を慎む - 窮理
理を極める
居敬窮理を行うことで格物到知に至る
本を務む。本立ちて道生ず(論語)
- 根本である理を把握するように努めなければならない、根本を知りえていれば自然と道は生まれてくるものだ
陽明学
知を致(いた)すは物を格(ただ)すに在り
- 物をただす
宇宙の理は生まれ持った人の心に最初から君臨している、純粋な心である良知に沿って思うままに行動すること、それが正しい行動につながる。
「知」と「行」は一体で連続したもの、一対の概念として捉える - ただし良知を掴むには心を陶冶し正しい心を律していなければならない。思うままに行動する時の心が欲望に染まったものであっては決してならない。
- 陽明学では心が起点となる為、心の在り方、心の鍛錬を重視します。
- “「知」が先で道徳的な行動は後から必ず伴ってくる”という朱熹 朱子学の「先知後行説」のアンチテーゼ
朱子学では「知」と「行」は一致せず別の概念として考える
陽明学
- 心即理
心 = 理 - 到良知
- 知行合一
知 = 行
心を純粋に陶冶し、信念を行動に移す
知行合一(ちこうごういつ)
- 思想と行動が一致することが大事である
- 「知る」とは「する」ことが前提でなければならない
- 行動重視の陽明学のモットー
陽明学では心を大事にし、「知」と「行」は両立して意味がある。分けることが出来ない、分けてはなさない概念。
それぞれが自由に良知に従い信じたことを行動する陽明学は、朱子学を是とする封建社会の幕府では危険思想とされた - 良知を行為によって実践すること
研究し、研修された知識を実践しそこで得た学びを知見とし創意工夫し発展させる
心即理(陽明学)
- 純粋な生まれ持った心がそのまま理となる = 心即理
生まれもった純粋な心を性、起こる感情を情とした時に、性と情を合わせれば理となる - 何が正しいかは自分の胸に問いただせばわかる
良知(儒学, 陽明学)
真の心、人が生まれ持っている物事の善悪を判断する倫理観
注
- 名誉・金銭・権力など私欲といった欲望に染まったり、心が曇った判断を良知と錯覚すると危険。
- 良知である為には、全ての起点となる心の在り方が大切である
欲望をそぎ落とし心を律し陶冶しておかねばならない。
致良知(陽明学)
何が正しいか良知である心に問いかけ徹底して追及すること
- 致良知を経て、本当に良いと思ったものは実践しなくてはならない。
- 人それぞれが良知に至ったものは行動することが肝要、知行合一に到る
知って行なわざるは未だこれ知らざるなり(王陽明)
実践や実行のない知識は知らないことと同一である
義を見てせざるは勇無きなり(論語 為政)
- 人としての義や正しさを知っていてなすべきことをなさないのは、勇気がないからだ
- 正しいことが行われない時、見てみぬふりをしてはいけない
克己復礼(孔子「論語」顔淵篇)
「己(おのれ)に克(か)ち礼に復(かえ)るを仁と為す。一日も己に克ち礼に復れば天下仁を帰(ゆる)す。
仁を為すこと己に由る、人に由らんや」@see
http://www.kokin.rr-livelife.net/yoji/yoji_ko/yoji_ko_14.html
http://www.fruits.jp/~k-style/sub12.html
- 克己
欲や私心といった我執に克って本来の自分に復ること - 礼
心から自ずと生ずる自発的規範
君子は義に喩り、小人は利に喩る(論語)
「君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩る」
- 君子は自分の行動が義にかなっているかを考える、小人は利(損得)であるかのみである
君子固より窮す。小人窮すれば斯に濫す(論語)
- 君子も困窮することがあるが、それでも道にはずれたことは決して行わない
- 小人は窮すれば道からはずれた誤った行いをするであろう
焉んぞ佞を用ひん(論語)
- 人物は佞(弁才)ではない、誠実の実行である
博く学びて篤く志す(論語)
- 学問を学んだことは大事に心に納め、実行しなければならない
「命を知らざれば、以て君子たること無きなり。礼を知らざれば、以て立つこと無きなり。言を知らざれば、以て人を知ること無きなり」(論語)
- 天命を知らなければ、君子足り得ない
- 礼を知らなければ、世に立っていくことはできない
- 人の言葉の聞いて本心を見抜けなければ、人物の良しあしを知ることは出来ない
日本陽明学
中江藤樹(1608~1648)が説いた、日本陽明学の祖
孝
- 儒学の五倫の根本原理として、孝が道徳の根源であると説いた
- 孝 = 愛敬
孝とは真心を持って人に親しみ(仁)、年上に敬意を示し年下を軽んじない、長幼を肝要とする - 儒学 八徳 「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」
時・処・位
孝の具体的な実践として、時と場所、位(身分)によって状況に応じて、良知を働かせ柔軟に人間としての道徳を実践するべきである
吉田松陰
思想は行動が共なってこそ完成する。言行一致でなければならない
- 実践のない学問に価値はない
- 行動なき思想は無価値である、言行一致でなければならない
松下村塾 聯
右. 万巻の書を読むに非(あら)ざるよりは、寧(いづく)んぞ千秋(せんしゅう)の人たるを得ん。
左. 一己(いっこ)の労を軽んずるに非ざるよりは、寧んぞ兆民の安きを致すを得ん。
- 万巻の書物を読まない人がどうして語り継がれる偉大な人になろうか、決してそうならない
- 自分一人の苦労など大したものではないという人でなければ、どうして世界の人々を安らかに出来ようか、決して出来ない
学問と行動は一対
≪…心を純粋に陶冶し、信念を行動に移す…≫は、
数の言葉の⦅自然数⦆に[内在]したモノ・・・
モノで観る⦅自然数⦆は、
[絵本]「もろはのつるぎ」を・・・
≪…純粋な生まれ持った心がそのまま理となる = 心即理…≫は、数の言葉⦅自然数⦆ではスービタイズの[1 2 3 4]だ。
≪…致良知を経て、本当に良いと思ったものは実践しなくてはならない。…≫は、数の言葉の文章命題が、3分岐しそれぞれが認知科学的(心即理)で『創生方程式』になるコトだ。