「母が喜んで泣いていた、花嫁衣裳を譲るって」
「私には着られないわ、お母さまとは体のつくりが違うし」
「直せばいい」
「だめよ、実は結婚できないの」
「どうして?」
「だって、本当は金髪じゃないの」
「いいさ」
「煙草も吸うのよ」
「いいよ」
「サックス吹きと3年も暮らしていたの」
「許す」
「子供が産めないの」
「養子を」
「分かってないな、俺は男だ」
「完全な人間はいない」
>ギャングから逃げるために女装をして女性楽団に潜り込んだジョーとジェリー。ジェリーはなぜか富豪に見初められ、猛烈なアタックを受けることに。「本物の金髪じゃないのよ」「タバコも吸うわ」など、どれだけのマイナス要素を語ったところで、愛の前では意味をなさない。「男なんだよ!」と打ち明けても、富豪は「完璧な人なんていやしないさ」とケロリと言ってのける。強く励まされると同時に、相手にも完璧を求めてはならないことを知ろう。「長所+欠点」がその人を形作り、それを丸ごと包むのが愛。